chapter7.
ハウスメーカーの選び方

これまで、ハウスメーカーについて以下のようなお話をしてきました。

第1講 ハウスメーカーの特徴
ハウスメーカーが誕生した頃の時代背景に遡り、ハウスメーカーの本質的な特徴を説明しました。

第2講 メリットとデメリット
ハウスメーカーの特徴に起因するメリットとデメリットについて説明しました。

第3講 構造と性能の着眼点
ハウスメーカー選びを困難にしている独特な表現と代表的な工法を説明しました。

第4講 価格のメカニズム
ハウスメーカーのコスト構造について触れました。

第5講 流れとスケジュール
ハウスメーカーの特徴に起因する独特な打合せの流れについて説明しました。

第6講 保証とメンテナンス
ハウスメーカーの最大のメリット、保証とメンテナンスについて説明をしました。

さて、いよいよ最終講の第7講は「ハウスメーカーの選び方」です。

一口に家を建てると言っても千差万別、人それぞれ求める住宅の姿は異なります。

例えば、住宅購入者のアンケート結果を見てみると、「営業マンの人柄が信用できたから」、「営業マンが熱心だったから」、「会社の信頼性」、「保証やアフターサービスが充実していたから」、「価格が予算内だったから」、「建物の性能が良かったから」という言葉が並びます。

これらを決して否定するつもりはありませんし、ある意味では正しいとも言えます。
しかし、はたしてそれだけでしょうか?

基本的に大手と言われるハウスメーカーであれば、デザインも保証もアフターサービスも、極端に劣るということはまずありません。また、ハウスメーカーの商品そのものには、工法の違いを除いて、大きな差がつく性能面での違いはほとんどありません。

そうなると、それぞれの会社が商品の違いを出そうとすれば、たとえ小さな差異であっても自社に優位になる特徴を先鋭化して訴えざるを得ません。さらにその特徴を強く印象付けるために、どんどん営業トークは過剰になっていきます。

そこに落とし穴があるのです。

例えば、断熱性能に注目しているお客様は、「断熱材」そのものに注目をしがちです。断熱材に注目することは確かに間違いではありませんが、重要なことを見落としていないでしょうか?

例えば、「断熱材」には以下のような様々な種類があります。

・鉱物系断熱材:グラスウール、ロックウール等
・プラスチック系断熱材:ウレタンフォーム、フェノールホーム、発泡炭化カルシウム等
・自然系断熱材:セルロースファイバー、ウール等

それぞれ断熱材単体で比較すれば、もちろん優劣の差はありますので、あなたはその中でも一番性能がいい断熱材を使っているハウスメーカーにプランを依頼します。

そのハウスメーカーは、あなたの「大きな窓がたくさん欲しい」という要望にしっかり応えて、大きな窓がたくさんあるプランを提案してくれました。

・・・・さて、この住まいは断熱性能が高い住宅と言えるのでしょうか?

答えはNOです。

熱は開口部から一番逃げていきます。どんなに高性能なサッシを使用したとしても、断熱材の入った壁に勝るものはありません。

もし、断熱性能が高い家が本当にいいと思うなら、大きな開口部はできるだけ少なくした方がいいでしょう。でも、あなたの希望である開放的な大きな窓は、断熱性能とは違う快適さを住まいにもたらしてくれるはずです。

つまり住宅は「断熱材」や「木がいいか、鉄がいいか」という部材単体のスペックで判断するものではなく、予算や間取りを含めた総合的なバランスで成立するものです。

ハウスメーカーの営業マンの中には、部材単体の細かな差異の優位性を強く訴えることがありますが、そこに焦点を当てて優劣を判断してしまうのは大変危険なことです。

ハウスメーカーの選び方で一番大事なことは、「木を見て、森を見ず」に陥らないことです。

小さい差異に目を奪われることなく、大局を見て判断することです。その上で、一般論や他人の経験を鵜呑みにするではなく、「自分たち」の条件や希望にあったバランスのハウスメーカーを見つけることが重要です。