chapter7.
ハウスメーカーの選び方

これまで、ハウスメーカーについて以下のようなお話をしてきました。

第1講 ハウスメーカーの特徴
ハウスメーカーが誕生した頃の時代背景に遡り、ハウスメーカーの本質的な特徴を説明しました。

第2講 メリットとデメリット
ハウスメーカーの特徴に起因するメリットとデメリットについて説明しました。

第3講 構造と性能の着眼点
ハウスメーカー選びを困難にしている独特な表現と代表的な工法を説明しました。

第4講 価格のメカニズム
ハウスメーカーのコスト構造について触れました。

第5講 流れとスケジュール
ハウスメーカーの特徴に起因する独特な打合せの流れについて説明しました。

第6講 保証とメンテナンス
ハウスメーカーの最大のメリット、保証とメンテナンスについて説明をしました。

さて、いよいよ最終章の第7章は「ハウスメーカーの選び方」です。

住宅購入者のアンケート結果を見てみると、「営業マンの人柄が信用できたから」、「会社の信頼性」、「保証やアフターサービスが充実していたから」、「価格が予算内だったから」、「建物の性能が良かったから」という言葉が並びます。
もちろん、どの理由も間違いではありません。
でもハウスメーカー選びで最も重要なポイントは、自分にあった「商品」を選ぶことです。

ここで「商品」という言葉を使ったのには理由があります。
これまで度々ご説明してきたように、ハウスメーカーの最大の特徴は「工業化(プレハブ化)」と「大量生産」にあります。
それは、「建ててみないと完成形が分からない」という注文住宅の欠点を解消しようとした‘創意工夫の結晶’とも言えます。

そう考えると、ハウスメーカーの住宅はオーダーで建てる注文住宅ではあっても、むしろ「商品」に限りなく近いものと言っていいでしょう。
事実、ハウスメーカーには200以上の商品がありますし、その商品ごとに工法やデザイン、特徴がすべて違います。

今でこそハウスメーカーには200以上もの商品がありますが、実は30年ほど前までは「1メーカーにつき、1構法」というのが普通でした。
ツーバイフォー工法の住宅を販売しているハウスメーカーが鉄骨造の住宅を販売することはありませんでしたし、その逆もまたありませんでした。
原則として、1社のハウスメーカーが取り扱っているのは1つの構法でしたので、商品が複数あったとしても内外装が違う程度のことでした。なので、「1メーカーにつき、1構法」の時代には、会社(ハウスメーカー)を選ぶことと、自分が建てる家を選ぶことは同じ意味を持っていました。

ところがさすがのハウスメーカーも、人口が減少していくこの時代に1つの構法の家を量産しているばかりでは、なかなか立ち行きません。
より多くの人のニーズに応えるため、それまで鉄骨造の住宅しか販売していなかったハウスメーカーも、木造の住宅を手掛けるようになります。
同じ鉄骨造でも、軽量鉄骨と重量鉄骨、同じ軽量鉄骨でも軸組工法の商品とパネル工法の商品を販売するなど、1メーカーが複数の構法を取り扱うようになります。
さらにそれぞれの構法から枝分かれするように、内外装やコンセプトが違う商品が派生していき、その結果、200以上もの商品が生まれることになったわけです。

つまり、今や会社(ハウスメーカー)を比較検討するだけでは事足りず、工法やデザイン、特徴がすべて違う200以上の商品の中から、いかに自分にあった商品を見つけるのかが重要になってきています。

でもその商品のうち、住宅展示場にあるのはそのごく一部でしかありません。営業マンもすべてを紹介してくれるわけではないので、多くを見逃してしまいます。
さらに一口に家を建てると言っても千差万別、人それぞれ求める住宅の姿は異なります。

よってハウスメーカー選びのポイントは、まず、できるだけ数多くの商品(選択肢)とその特徴を知ること、そして、その中でどの商品が自分の立地や趣向にあっているのかを比較検討すること、と言うことができます。