chapter1.
ハウスメーカーの特徴

ハウスメーカー事始め

ハウスメーカーの特徴を語るには、まず、その歴史に触れざるを得ません。

今では家づくりの筆頭に挙げられるようになったハウスメーカーですが、始まりは今から約60年前の1950年代後半に遡ります。

ハウスメーカーが出現するまで住宅建築を担ってきたのは、伝統的な「木造在来工法」でした。 木造在来工法とは、木材を材料として使い、柱や壁などの部材の大半を大工や職人が現場で手作りして組み立てる方法です。

しかし、戦後の高度経済成長期に住宅の需要が高まっていく中で、一定の品質を保った住宅を大量、かつ安価に供給する必要性が急速に高まっていきます。 そこで始まったのが、材料に品質が安定した軽量鉄骨やプラスチック等の工業材料を使い、これらをパネル化、ユニット化してあらかじめ工場で大量生産を行うという「住宅の工業化(工場生産化)」の取り組みです。

こうして創業されたのがプレハブ住宅メーカーであり、これが現在のハウスメーカーの原形です。

さて、この「ハウスメーカー」という言葉ですが、実は、正式な定義はありません。
人によっては、総合住宅展示場に出展している住宅会社やテレビコマーシャルを放映している住宅会社など、「ハウスメーカー」という言葉に対する認識は様々なようです。

あえて定義をするならば、ハウスメーカーとは、「自前の生産設備を持ち、工業化(プレハブ化)または建築資材の一部を規格化することによって、注文住宅の大量生産を全国規模で展開している会社」と言うことができます。

ちなみに、注文住宅を量産する大企業が存在するのは日本に特有のことで、外国では日本におけるハウスメーカーのような大企業は存在しません。

なお、総合住宅展示場に出展したり、テレビコマーシャルを放映している住宅会社であっても、地域を限定して事業展開している住宅会社は「巨大化した地域工務店」の性質が強く、フランチャイズ展開している企業グループも実際は地域工務店が請負うことになりますので、ハウスメーカーとは区別して理解するべきでしょう。

ハウスメーカーの特徴

こうしたハウスメーカーの成り立ちを紐解いても分かるように、ハウスメーカーの特徴は、「工業化(プレハブ化)」と「大量生産」にあります。

ハウスメーカーは、本来は1つ1つの住宅毎に必要な設計や施工方法をあらかじめ統一し、工場で建築資材を前加工することによって、大量生産と品質を一定に保つことを可能にしています。

さらにハウスメーカーの多くの商品は、住宅の工法や部材、サイズなどの基本仕様について、あらかじめ行政から「こういう工法、仕様で家を建てます」という認可を一括して取得しており、その規格の範囲内で設計と施工を行います。

これを「型式適合認定」と言い、これらの商品は、本来は必要になる家を建てるための諸手続きを簡略化することができます。 例外として、ハウスメーカーの住宅でも木造軸組工法、2×4など一般的に広く普及している工法の商品に関しては、型式適合認定を取得していないケースもあります。

しかし、このような場合でも、ハウスメーカーは多かれ少なかれ建築資材の一部を規格化することによって工業化を図っていますので、「工業化(プレハブ化)」、「大量生産」という特徴を持つ点では本質的な違いはありません。

つまり、ハウスメーカーの特徴は、「工業化(プレハブ化)」と「大量生産」にあり、その結果として、「より多くの人が求めるであろう住宅を、一定の品質でより多くの人に供給できる」というメリットがあります。